写真A/故コーリャ・ウー作
アーティスト編・3
「故コーリャ・ウーとナナイ族」
「ナナイ族」
ナナイ人は古くからアムール川とその支流ウスリー川(烏蘇里江)や中国のスンガリー川(松花江)の合流する地域に住んでいます。人口約1万2千人に及ぶ「ナナイ」という民族は伝統的には漁業を生業の基礎にしてきたツングース系の北方少数民族です。ナナイ族は、川からとれる魚を食料にするばかりではなく、魚の皮は靴や衣服をつくるために巧みに活用しています。シャーマニズムを信仰するナナイ人は熊に対する信仰も重視し、とりわけ小熊を一定期間飼育し、その霊を山の神のもとに返す『熊送り儀礼』を年に一回行っています。シャーマニズムやクマ送りの儀礼、口琴など、アイヌ文化との共通点が多いです。
アレックスさん(美術館ゼネラル・マネージャー)が美術館内を案内して下さるというので、作業をひとまず中断し「極東美術館所蔵作品鑑賞会」となりました。
こちらの美術館の展示は大きく分けて3つの部分からなっています。西欧、ロシア、アムール河近在の少数民族の芸術作品です。
「アムール河近在の少数民族の芸術作品」
写真1
写真2
写真3
写真4
写真5
写真6
写真7
写真8
写真9
写真10
写真11
昔からトライバル(種族・部族・民族)デザインには非常に興味がありました。
伝統的なトライバルには、それを創作した部族が持つ様々な意味が込められています。「戦い」、「猟り・漁の繁栄」、「生命力」、「神」・・・・単純化され象徴化されたそのデザインは、とても深い美しさがあります。
「ギフト」
ジバエードフ・リョーコ夫妻のご自宅へお招き頂いた時のお話。
リョーコさん:「タカハシさんに差し上げたい物があります。どうぞお受け取り下さい。」
そう云って彼女から手渡された物はどこか見覚えがありました。
美術館で見た”ナナイ族”の展示品にそっくりです。
リョーコさん:「これはナナイ族の”コーリャ・ウー”という、とても優れた芸術家が作った作品です。残念ながら彼は既に亡くなられていますが、これらは生前彼から譲り受けた作品たちです。お好きな物をどれでも1つお選び下さい。」
アパートへ戻り、先日美術館で撮影した写真を確認してみると、やはりそれはありました。(写真10・11)
その後、頂いた「コーリャ・ウーのペンダント(写真A)」は、どこへ行くにもいつも首からさげていました。
ある日、美術館のスタッフさんに尋ねられます。
「それはコーリャ・ウーの作品じゃない、どうしてあなたが持ってるの!?」
美術館にいる間、いろいろな人から同じ質問を何度となく受けました。確かに、私(日本人)がコーリャ・ウーの作品を身に付けていることは不可解だったことでしょう。
「ナナイの親子」
こちらのお二人はナナイ族の親子です。個展開催中には何度も足をお運び下さいました。
またご主人は有名なソプラノの歌い手さんだったそうで、ジバエードフさんに録音された彼の歌を聴かせて頂きましたが、それはそれはハリのある素晴らしい歌声でした。
またご主人は有名なソプラノの歌い手さんだったそうで、ジバエードフさんに録音された彼の歌を聴かせて頂きましたが、それはそれはハリのある素晴らしい歌声でした。
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